その姿を見かけて足を止めると、
彼はこちらの注目に気付きながら、いくらか歩を進めてようやく振り返った。
気取った奴だ。
カメラを取り出すと、プイっとまた少し進んで振り返る。
自らベストポジションを指定するかのように。
撮影、ポジション移動、また撮影。
そんなことを3回も繰り返し、ラストはちょっと長めにキメてくれていた。
冷めた片目に何を訴えるでもなく、堂々と。
このすぐ先の道に、轢かれて死んだ猫が横たわっていた。
いつもそうした光景に出くわすたび、
「人間が住み辛いとこ作ったばかりにすまんな…」
と思っていた。
しかし、彼らは人のせいで死んだのだろうか。
人の作った環境に生まれた彼らには、
この世界が当たり前で、
人を恐れながら、人になびきながら、
彼らは彼らで当たり前の日常を生きている。
自分たちが世界の主役であるかのように猫に接するのはやめよう。
彼らにとっては、自分たちこそが主役なのだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿