2011年1月30日日曜日

井の頭通りの猫



その姿を見かけて足を止めると、
彼はこちらの注目に気付きながら、いくらか歩を進めてようやく振り返った。

気取った奴だ。
カメラを取り出すと、プイっとまた少し進んで振り返る。
自らベストポジションを指定するかのように。

撮影、ポジション移動、また撮影。
そんなことを3回も繰り返し、ラストはちょっと長めにキメてくれていた。

冷めた片目に何を訴えるでもなく、堂々と。



このすぐ先の道に、轢かれて死んだ猫が横たわっていた。

いつもそうした光景に出くわすたび、
「人間が住み辛いとこ作ったばかりにすまんな…」
と思っていた。

しかし、彼らは人のせいで死んだのだろうか。

人の作った環境に生まれた彼らには、
この世界が当たり前で、
人を恐れながら、人になびきながら、
彼らは彼らで当たり前の日常を生きている。


自分たちが世界の主役であるかのように猫に接するのはやめよう。
彼らにとっては、自分たちこそが主役なのだ。


0 件のコメント:

コメントを投稿