細胞分裂...卵生...あるいは小さく産んで袋で育てる...
その辺までは無理がない。
出産の母体のリスクはすこぶる小さいんでないかな。
一方、哺乳類のスタンダードな出産のあり方は、極めて危険だ。
これだけ時代も科学も進歩して、
死の危険はいくらか取り払われても、出産の苦しみはあまり変わらない。
10か月腹で抱えて用心し、文字通り身を引き裂くように生みだす。
でも、その過程が女性を母親にするのかもしれない。
この10カ月の写真を振り返って見る、表情の変化。
大きく突き出たおなかは、お世辞にも格好良くはない。
見た目(自分)を大事にしてきた女性が、
お腹(子供)をどんどん意識し、大切にしていく。
表情は、娘から母親に変わっている。
そして、想像以上の困難と痛みを経て、子供と出逢う。
愛おしさと慈しみに溢れた表情が生まれる。
それぞれの胸に、決意と覚悟が生まれる。
少なくとも、哺乳類が行き着いた人間には、
この10カ月と苦しみが必要なんだろう。
お抱えも苦しみもない男は
女性のこの過程を、どれだけ共に歩み、見てきたかが重要なのかもしれない。
見てきただけなら自負のある私も
壮絶な苦しみの果てに彼女の中から現れたわが子を見た瞬間、
パッと気持ちの湧き上がりを感じることが出来たようである。